2013年4月20日土曜日

Night and the city

今夜はジャズ。

私が今もっとも敬愛しているジャズピアニストにケニー・バロンがいる。どのアルバムを聴いても「すごいなあー。」と感嘆するのであるが、とりわけ「Night and the city」は「すごいなあー。すごいなあー。」と「すごいなあー。」の二連発なのである。
では、一体何がすごいのかというと、
まず、このアルバムがピアノ(ケニー・バロン)とベース(チャリー・ヘイデン)のデュオアルバムだということである。
しかも七十分のロングアルバム。
彼らは、リスナーに七十分の間、まったく飽きさせることなく、演奏を聴かせるのだ。
普通、ピアノとベースのアルバムというのは、プレイが単調になってしまうので、実力のないプレーヤーがこれを行なうと、実につまらないものになってしまう。聴く方が飽きてしまうのだ。しかし彼らは、演奏を七十分もこなしている。さらに言えば、ほとんどすべてがバラード系の曲なのである。(バラードはスローなものが多い故、こればかりだとどうしても単調になる。)
そして、「すごいなあー。」の極めつけは、この演奏がニューヨークのブロードウェイにあるジャズ・クラブ「イリジューム」でのライブ録音であることだ。
最初はスタジオ録音かと思われるほど静かに始まるのだが、途中、グラスのぶつかる音や拍手によって、ライブであることがはっきりしてくる。
「ライブでこの演奏クオリティーか。」とその即興演奏の能力に驚愕するのである。

「イリジューム」というジャズ・クラブの名前は、元素のイリジュームからとったとのこと。
またイリジュームは、ギリシャ神話に登場する虹の女神「イリノス」に因んでおり、元素のイリジュームも虹のようにキラキラ光るということです。




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