2012年6月8日金曜日

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」

6月30日から「マウリッツハイス美術館展」という展覧会が東京で開催される。要するにフェルメールの展覧会である。もっと極端にいうと、「真珠の耳飾りの少女」展である。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」のように、極めて人気の高い絵画がこのフェルメール(オランダ人)の「真珠の耳飾りの少女」だ。写実的な絵にはあまり興味のない私だが、この「少女」の目線には参ってしまって、はるか昔に大阪の市立美術館までこの絵を観に行ってしまった。
 フェルメールという人間は実に不思議な人物で、17世紀に生き、19世紀に突然その名前が知れわたった人物である。画家というよりも、居酒屋の経営者だったり、宿屋の主人だったり、はたまた、画商、投機家でもあった。なにが本業かわからないような男だが、絵は天才的に上手だったそうだ。また、フェルメールは金にこだわらず(とんでもない値段の絵の具材を使用している。)、男にも女にも優しく、自分のことは語らず、画才を誇らず、粋で鯔背(いなせ)でもあったということである。
 フェルメールの「少女」にもどるが、この少女がしている耳飾りだが、これは大きなバロック真珠というやつで、この時代、一艘の船が買えてしまうほどの値段であったそうだ。それはそうと、私がこの絵で好きなところは、少女の目線は勿論だが、背景になにも描かなかったところである。これによって少女の表情が実に生き生きとするのである。
 話は変わるが、武井咲という「国民的美少女」がいる。彼女がこの「真珠の少女」に扮して展覧会のコマーシャルポスターに出ていたが、ベリー・グッドである。それらしく化粧をして、撮影したのだろうが、よく似ている。NHKの大河ドラマ「平清盛」で常磐御前(源義経の母親)役で出演しているが、こんなに「真珠の少女」にピッタリするとは。

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