2016年10月29日土曜日

せぬはよきなり

今日の土曜講習で「推量」の助動詞「まし」の用法についてふれた。
「まし」は、「や」などの疑問の意を表す語と共に用いて、決断しかねる意を表すという用法だ。

さて、この用法でよく例に出されるのが「徒然草」第九十八段の「しやせまし、せずやあらまし」である。

「尊きひじりの言ひ置きける事を書き付けて、一言芳談とかや名づけたる草紙を見侍りしに、心にあひて覚えし事ども

一 、しやせまし、せずやあらましと思ふ事は、おほやうは、せぬはよきなり・・・・・と続く。

(第九十八段)

「しやせまし」以下の意味は、「したものだろうか、しないでおいたものだろうか、と思う事は、大抵はしない方がよい」となる。

「まし」の文法的な意味は兎も角、この部分の語意が面白い。
要は、「迷った場合には、しない方がよい」ということだ。
さすが、兼好法師。
彼の人生経験が滲み出ているような言葉だ。

物事は迷わないことが大事なんだね。


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