2012年5月21日月曜日

見るべき程の事は見つ

平家の武将に平知盛という武将がいる。山崎正和の評論「劇的なる日本人」だったか、小林秀雄の評論「無常ということ」だったか、あるいは両方ともちがうのか、記憶が定かではないのだが、この知盛のことが書いてあった。清盛の息子の中では、知盛は清盛に一番期待をかけられていたそうだ。実際いくつかの合戦でその実力を示している。先にあげた評論の中でポイントになっているのが、この知盛が、壇ノ浦の戦いにおいて、もうこれまでと海に飛び込む時に言った言葉。「見るべき程の事をば見つ、今はただ自害せん。」である。これは、平家物語に書かれているだけなので、ほんとうに知盛がこの言葉を言ったのかどうかはわからないが、凄い言葉である。「世の中のことは、すべて経験した。思い残すことはないぞ。」くらいの意味なのだろうが、早くその心境になりたいものだ。

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