2014年5月21日水曜日

「のつそつ」

今、朝日新聞の朝刊には夏目漱石の小説「こころ」が連載されている。
「こころ」と言えば、高校二年生の現代文において定番中の定番である。
しかしながら、「こころ」自体は長編小説ゆえ、どうしても教科書に採録されているのは、その部分となってしまう。

私自身も、教科書では十数回「こころ」を読んだが、教科書以外の部分は、はるか昔に読んだきりで、内容などあやふや。
そこで、これは良い機会と、あらためて読むことにした。

当たり前と言えば当たり前だが、読み出してみると、これが実に面白いのです。
そして使われている言葉も、なかなか興味深い。

例えば今日の「こころ」には、こんな単語が出てきた。
「私がのつそつし出すと前後して、」 

「のつそつ」とは何だ?
新聞の解説欄には次のような説明がなされていた。
「のつそつ=することがなく身体をもてあましている様子。」

うーん、そうかと思いつつ、今少し納得できなかったので、自分で辞書を引いてみると、こんなことが分かった。
「のつそつ」は「伸びつ反りつ」の変化形。
することがなく、ただ身体を伸ばしたり、反らしたりしているだけの意。
身体をもてあます形容。
ともある。

なるほどね。
今は死語となってしまった言葉ではあるが、なかなかしゃれた言葉だなあ。







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