2014年6月10日火曜日

バルテュス

学校祭の代休を利用して、上野の美術館まで出かける。
見たい展覧会がふたつ。
「バルテュス展(東京都美術館)」と「法隆寺展(東京芸術大学美術館)」である。
しかしながら、ふたつも見ては草臥れる。
どちらかひとつ選ばねば、ということで現地で思案。
結局「バルテュス展」を見ることにした。

バルテュス、本名をバルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ。
ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめたこの画家、他にも「称賛と誤解だらけ」の画家とか、「ピカソが認めた孤高」の画家などという形容もある。
(評論家?などと言うのは、随分かっこをつけた言い方をするもんだね。私だったら、「小さい頃からチョット危ない画家」とでも言うんだが。)




ポーランド貴族の血を引く父と画家であった母、パリで生まれた彼は、画家や詩人達の集まる芸術的な環境に育ち、早くから卓越した才能を示し、11歳にして「ミツ」という猫の物語を挿絵付きで制作した。
この時以来、猫に同一化したバルテュスは自分を「猫たちの王」と呼ぶようになった。

また、猫と並んで彼のモチーフとなったのが、ポスターの絵で代表される少女である。
写真のポスター「夢みるテレーザ」では、無垢から性の目覚めへの過渡期を描き出している。

私的には「チョット危ない画家」なのだが、そこがバルテュスのもっとも大きな魅力でもある。
世の中に、少女の「危うい美」というものが存在するならば、まさにその典型的な表現者がバルテュスなのである。





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