2019年6月1日土曜日

虞美人草

近所の畑のポピーである。
ポピーとは、色とりどりの花を咲かせるケシ科の植物の総称なのだそうだ。

そのポピーの中に「ひなげし」がある。
「ひなげし」は「雛芥子、雛罌粟」とも書く。
また「虞美人草」ともいう。

グビジンソウ「虞美人草」名は、中国の伝説に由来している。
高校生の学習する漢文の教科書には「史記」が載っており、項羽の愛人のことが書かれている。

秦末の武将・項羽には虞と言う愛人がいた。項羽が劉邦に敗れて垓下に追い詰められた時に、死を覚悟した項羽が詠った垓下の歌に合わせて舞った。

力拔山兮氣蓋世 (力は山を抜き、気は世を覆う)
時不利兮騅不逝 (時利あらずして 騅逝かず)
騅不逝兮可奈何 (騅の逝かざる 如何すべき)
虞兮虞兮奈若何 (虞や虞や 汝を如何せん)

この舞の後に彼女は自害した。
彼女を葬った墓に翌夏赤くこの花が咲いたという伝説から、こう呼ばれる。
なお、虞美人の自害云々については、女性の貞操がとやかく言われるようになった北宋代からであり、『史記』、『漢書』ではそのような記述は無いという。


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