2017年10月9日月曜日

「水底の太陽から釣りあげるひかり」

「水底の太陽から釣りあげるひかり」

書は蝋(ろう)の上を黒色で塗り、蝋の部分の色を弾くというロウケツ染めの手法だという。
蝋の白さが際立つ。

写真は御殿場にある人造湖「東山湖」(ブラックバスなどを釣る有料釣り堀のよう)での釣り人を、逆光で撮ってみた。クリックして拡大すると分かるが、中央やや上に、釣り竿を持った釣り人がいる。
まさに太陽の光を釣り上げているのである。

この句も前日同様「其中日記(八)」からである。
昭和十年八月十八日には、次のような記述がある。

八月十八日 新秋清明。

初めてつく/\ぼうしが鳴いた。
 青葉かげお地蔵さまと待つてゐる
 蟻の行列をかぞへたりして待つ身は暑い
 バスのほこりの風にふかれて昼顔の花
・炎天下の兵隊としてまつすぐな舗道
 行軍の兵隊さんでちよつとさかなつり
・釣りあげられて涼しくひかる
◎水底の太陽から釣りあげるひかり
・ゆふなぎおちついてまた釣れた


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