2016年6月15日水曜日

種梨

午前中で勤務終了、午後は老人テニスであった。
朝方の雨があがって、テニスコートはカンカン照り、二時間走り回るのは、相当勇気が入るのである。

現在、三年生の漢文では「種梨」という中国の清代初頭の白話小説を講義している。
白話小説というのは、例えば「西遊記」であるとか、「水滸伝」であるとか、俗語で書かれた通俗小説のことだ。

この話の中には道士が登場する。
道士とは、道教を信奉し、修行を積む僧とある。
道教は古くからの神仙思想(修行の結果、神通力を得た仙人になることができるという思想)を中心に、易とか陰陽、医学、占星術などを学ぶ一種の宗教。
仏教の信仰者の究極の願いが「解脱(悟りを開き、煩悩と業の束縛からのがれること)」であるのに対して、道教のそれは「昇仙」であり、神仙である。

さて、「種梨」は道士が術を使って周囲の人間をびっくりさせる話であるが、単に「有り得ない話」として片付けてしまうことのできない話なのである。


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