2015年4月22日水曜日

人間は主体的な存在ではない。

久しぶりの水曜テニス。
平均年齢は七十歳を越すが、皆さんお元気である。

明日は現代文の演習で、小坂井敏晶「責任という虚構」の説明をする。
なかなか骨が折れるが、面白い文章である。

要旨は、「人間が主体的な存在であるという考えは、実は誤りであり、我々が主体と考えているものは、社会環境の中で脳が不断に繰り返す虚構生成プロセスから生み出される、実体的にとらえられない幻想にすぎないものである。」といったもの。

もうすこし簡単にいうと、「意志が生じる前に無意識過程で行為が開始される」ことが、脳生理学の実験結果により証明された。
そして、この結果は、これまでの哲学や心理学が前提としていた「主体の存在」を否定することになる、ということだ。
まったく、自由かつ意識的に行為をする場合でも、意志が生じる前に行為の指令が出ているのである。

人間は主体的な存在ではないのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿