2016年4月4日月曜日

歌集「キリンの子」

新潟の友人から「キリンの子」という歌集を紹介された。
作者は「鳥居」、苗字だけの年齢不詳の作者だ。
キャッチフレーズは「セーラー服の歌人」である。
セーラー服の歌人などいうと、中・高校生あたりが、「青春の思い」を綴った歌集のように想像してしまうのであるがトンデモナイ。
その生い立ちがスゴイ。

二歳の時に両親が離婚、小学校五年の時には目の前で母に自殺され、その後は養護施設での虐待、ホームレス生活などを体験。
義務教育もまともに受けられず、拾った新聞などで文字を覚え、短歌についてもほぼ独学で学んだという。

手元に歌集がないので、ネットで拾った歌を載せてみる。


    ・目を伏せて空へのびゆくキリンの子 月の光はかあさんのいろ
    ・揃えられ主人の帰り待っている飛び降りたこと知らぬ革靴
    ・慰めに「勉強など」と人は言ふ その勉強がしたかつたのです
    ・花柄の籐籠いっぱい詰められたカラフルな薬飲みほした母
    ・ふいに雨止むとき傘は軽やかな風とわたしの容れものとなる

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