2012年3月8日木曜日

「なので」は間違っているか?

最近の比較的若い人(十代から三十代くらいまで)が、よく使っていて気になる言葉に、「なので」という言葉がある。例えば「今日は雨降りだ。なので傘を持って行こう。」といった使い方をする。文法的に言えば、「なので」の「な」は断定の助動詞「だ」の連体形、「ので」は理由・原因を表す接続助詞である。従って文頭に「なので」が来ることは明らかにおかしい。
 しかしながら、私は小言ジジイのように、「今の若者の言葉遣いは、なっておらん。」などという気は、これっぽちもない。これは言葉というものが「揺れ」(言葉の意味が共存している状態)を経て、さらに支持の多い方に移って行く現象があるだ。言葉は生きている。変化はつきものであるし、言葉の目的は、相手とのコミュニケーションにほかならない。だから、相手に自分の伝えたいことが伝われば、それで目的は達成されたことになる。こう考えると「なので」が、「そのため」のような意味で使われ、言う方も言われる方も理解しておれば、それで十分なのである。誤用の「負けず嫌い」を「負けないことを嫌う」という意味で受け取る人はほとんどいないだろう。これが言葉である。

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