2019年7月17日水曜日

家居のつきづきしく


午後からは如何にも夏の天気。

ジメジメして、はっきりしない天気も嫌だが、一気にカーッと暑くなるのも身体にコタえるものだ。

徒然草「家居のつきづきしく」第十段に、なかなか面白い部分がある。

後徳大寺大臣という貴族の屋敷の屋根に、家主が鳶(とび)を止まらせないために縄を張った。
それを西行法師が見て、「この殿の御心、さばかりにこそ。」と家主を批判した。
要するに、鳶が屋根を汚そうとも池の生き物を捕えようとも、そんなに騒ぐなということなのだろう。

しかしながら、作者(兼好法師)は、批判した西行をさらに批判する。

別の貴族、綾小路宮が同様に屋根に縄を張ったのだが、その理由は烏(からす)が、池の蛙をとって食べないように(殺生をしないように)、であった。
さて、後徳大寺大臣にはどのような理由があったのでしょうかね、西行君。

兼好は言うのだ。
仏に帰依した者であれば西行君、殺生はイカンダロウ。

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