2013年8月9日金曜日

これやこの

昔の色男というのは随分ドライな面もみせるようだ。
「伊勢物語」には、次のような和歌がある。

「これやこの 我にあふみをのがれつつ 年月経れど まさり顔なき」

昔ある男がいた。(その男の妻で)長年の間訊ねてやらなかった女が、別の男のあてにならない言葉に従って家出をし、地方に住む人の使用人になってしまった。
そこに、もとの男が現れて詠むのが上の歌である。

(これがまあ、私に逢う身でありながら逃げ去って行って、年月は経たけれど、前よりも良くなった様子もない人の有様なのだなあ。)

自分のところを去っていった女に対して、強烈なしっぺ返しをする話である。しかしながら、よくよく考えてみれば、もともとの原因は、長年の間女のところを訊ねてやらかった男のような気もするのだが。

さて、明日の講習は、この話だぞ。

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