2026年度から主に高校1年生が使う教科書の検定では、評論や実用文を扱う「現代の国語」で小説を掲載する教科書が急増した。申請の教科書の半数が小説を載せて合格。文科省が小説の掲載を想定していなかった「現代の国語」でなぜ増えたのか。
ワタシは「古典」ばかり教えているので、あまり気にもしていなかったのであるが、現在、国語という教科には「言語文化」と「現代の国語」というのがあって(かつては「古典」と現代文」)、「現代の国語」では報告書や法令、契約書など実用文を扱うのである。したがって、小説は古典や漢文とともに「言語文化」の方で扱われるのだ。
これは文科省の(誰が言い出したのか分からないが)高校の授業は「文学作品の読解に偏りすぎる」として、学習指導要領では「実社会で生きる力を重視する(報告書・法令・契約書の重視)」という(愚かな)考え方によるものである。
文学作品から「生きる力は学べないのか?」とワタシは今でも憤っているのだが。
さて、で最初の「小説がなぜ現代の国語に急増したのか」に戻るが、神奈川県を中心とした現場の国語教員にアンケートを採ったところ、「現代の国語」の新設については、「良かった」が15%、「良くなかった」が51%を占めたそうである。
うん、うん、神奈川県の先生たちは実に「マトモ」だ。
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