2018年11月26日月曜日

リトルネロ

今日の夕刊の文化欄に面白い記事があった。
大阪市大教授の増田聡氏の「反復は不安紛らす呪文か」である。

氏は、今年のヒット曲「カモンベイビーアメリカ」について、この歌の持つ楽天的なムードは、政治や社会の問題から目を背け、音楽を娯楽として消費するばかり日本を象徴しているようにも見えるとしている。
さらに、フランスの哲学者であるドゥルーズと精神分析哲学者のガタリの「リトルネロ」という概念を説明していた。
「リトルネロ」とは、リフレイン(音楽における繰り返し)が、人間に不安を打ち消す力を持つということである。
例えば、夜道を不安を抱えながら歩く子供が、ふと歌を口ずさむ。
子供は、同じフレーズを繰り返し歌うことで、何が起こるかわからない夜道の不安を打ち消し、家までの道のりを進むことが出来るというのだ。

うーん、「カモンベイビーアメリカ」のヒットは、若者の大きな不安の裏返しなんだね。
同じ紙面に、かつてフォークの神様と言われた岡林信康の「デビュー50年」の記事が載っていたのは、何か因縁めいたものを感じた。


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