2012年9月13日木曜日

はいずみ

三年生の古典講読の講座で、「堤中納言物語」の中から「はいずみ」という話を授業している。
 「愛し合っていた妻が居るのに、新しい妻を得た男が、もとの妻の優しく奥ゆかしい心に気づいて、もとの妻の元に戻って行く」といったストーリーであるのだが、その戻るきっかけとなったのが、新しい妻の失敗(男が急に訪れたので慌てふためき、白粉の代わりに墨をを顔に塗りたくってしまった)である。
 ところで、私が興味を持ったのは新しい妻が顔に塗りたくった墨のことである。これは「はいずみ(掃墨)」といって、ごま油・菜種油の油煙をとって、それに膠をまぜ、まゆを描く墨にしたり、薬用としたそうだ。
 当時の女性も眉を描く習慣があったことは、納得できるのだが、薬用とはなんだろう。なんでも墨を酒に入れて飲んだらしい。
 考えてみれば、最近、墨を使用した製品が結構あるような気もする。
 備長炭を水の中に入れて、水自体を浄化するようなものもあるので、これを酒の中に入れて薬用としたのかも知れない。
ウンそうにちがいない。 と勝手に判断する私であった。
 

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