藻塩という塩がある。
ミネラルたっぷりのこの塩は、古代より独特の製法によって海水より作られた塩で、塩辛い中にも旨みがあり、日本料理には、ピッタリの塩である。
また、百人一首の中にも藤原定家の歌で、次のような歌がある。
「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ」
(いくら待っても来ない人を待ち続け、松帆の浦の夕なぎのころに、焼く藻塩のように、私の身もずっと恋こがれていることだ。)
さて、この藻塩だが、夏休みに秋田県の男鹿半
島を旅行した際に土産品として販売されていた。「おお、これが定家の藻塩か、とさっそく購入したのだが食する機会が、ないまま今日まで来てしまった。
そして本日の夕食、豆腐の冷奴を見た瞬間「これは藻塩だ」と思い出し、藻塩をふって食べてみた。「美味い、こんな食べ方があったのか。」といたく感動、以後「豆腐には藻塩」と固く決心する私であった。
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