「アビー・ロード」は、「カム・トゥゲザー」という、当時としては斬新な曲で始まる。
中山康樹という評論家は、この曲について次のように評論している。
「ジョンの声は存在感がある。ゆえに曲によってはうっとうしく響くこともある。とくにメロディーが一本調子で、しかも強引にしゃくりあげつつねじ曲げようとした場合、うっとうしさは増加する。ここがいわゆるジョンの声に対する好き嫌いの分かれ目だ。この「カム・トゥゲザー」は、その分かれ目に位置する微妙な曲だ。しかも名曲かといえば必ずそうではない。かといって駄曲でも凡曲でもない。要は変わった曲なのだ。」
うーん、同感である。
この曲を一言でいえば「危険なインパクト」である。
ポール・マッカートニーが万人受けする甘くのびやかな声なのに対して、ジョン・レノンは挑発的で突き刺すような声で攻めてくる。
これには一種の危うささえ感じてしまう。
実際、「カム・トゥゲザー」のイントロに聞こえる「シューッ」という声は「シュート・ミー(Shoot me)」、「撃ってみな」ということらしい。
まるでジョン・レノンの最後を暗示しているような叫び声だ。
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