「キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ」という二人のサックス奏者をフューチャーしたジャズのアルバムを聴く。
(因みに、、ここでの「アラバマに星は落ちて」はワタシをジャズにどっぷりと浸からせた曰く付きの演奏である。)
このアルバム、言ってみれば、バリバリのロックシンガー(ジョン・コルトレーン)と演歌の大御所(キャノンボール・アダレイ)が共演しているようなアルバムであるのだが、これが聴いていて実に心地よい。
アダレイにしてもコルトレーンにしても、マイルス・デイヴィスグループの一員であったのだが、親分マイルス抜きでせいせいと演奏している態なのである。
選曲もマイルスグループのレパートリーとはかけ離れたもの(中山康樹「大人のジャズ入門」)である。
リズムセクションはウィントン・ケリーがピアノ。
ベース、ポール・チェンバース。
ドラムス、ジミー・コブと、まさにマイルスバンドであるのだが、マイルスの影はまったく感じられない。
中山康樹はその理由について、次のように述べる。
「彼らは、いかなる要望にも応えうる訓練を積んできたスタジオ・ミュージシャンとしての側面を備えていた。」
さらに彼は言う。
「同時にこれらの演奏(マイルスの影を感じさせない演奏)は、存在することによってすべてのサウンドを『マイルスの音』へと変換させてしまうマイルスの特異な才能を逆説的に証明している。
うーん、癪に障るが、やはり最後はマイルスか。
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