現在授業で「伊勢物語」を講義しているのであるが、その「伊勢物語」の最終段(125段)は次のように終了する。
「昔、男、わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ、
つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのふ今日とは思はざりしを」
(昔、男が、病気になって、死にそだと思われたので、(詠んだ歌)
最後には誰もがゆく道とはかねてから聞いていたが、昨日今日のこととは思わなかったことだよ。
「伊勢物語」は「初冠」という貴族男子の成人式の話で始まる。
これは一人の男としての人生のはじまりを語っているのであり、その後は恋の話がずっと続き、そして最後が臨終なのである。
「死」を「つひに行く道」として受け入れ、一方では「死が昨日今日やってくるとは思わなかった」と言う。
まあ、人生これが本音なのでしょうね。
しかしながら、この教材は十六・十七歳の高校生にはチョイトです。
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