店は現在営業していないが、看板だけが残っているのだ。
さて、それは兎も角、この看板の店名「ぶんぶく」とは一体なんぞや?
むろん、看板の絵からも分かるように、「ぶんぶく」は「ぶんぶく茶釜」の「ぶんぶく」から採ったのだろうが、では「ぶんぶく茶釜」の「ぶんぶく」とは何だろう。
看板の絵をよく見てみると、たぬきが楽しそうに踊っている。
これは昔話の「ぶんぶく茶釜」の絵だ。
江戸時代の赤本や絵本に、茶釜から顔や手足を出した狸の姿や傘を持って綱渡りをする姿がデフォルメされたことによって、そのイメージが広範にそして甚だしく笑話化されて伝えられてしまったのだそうだ。
もともとは狐の恩返しをテーマにしたものであり『日本昔話大成』の中の「狐と博労」、「狐遊女」と同種の昔話であるという。
おおー、もともとは狐なんだ。
「あらすじ」をウィキペディアで調べてみた。
古道具集めが一番の趣味である和尚さんが茶釜を買って寺に持ち帰る。茶釜を見ると汚れていたので弟子の小僧さんに茶釜を磨くよう命じるが、洗っている途中に茶釜が痛がったので、和尚さんに報告する。和尚さんは茶釜を水で満たし火に懸けたところ、何事もなかったので「雑念があるからだ」と小僧さんを叱る。しかししばらくすると茶釜が熱さに耐え切れず動き出したので気味が悪くなった和尚さんはたまたま近くを通りかかった貧しい古道具屋に茶釜を売ることにする。古道具屋はその夜奮発して鯛を買うが、食べようとしたところ鯛がなくなっていた。途方にくれる古道具屋だったが、茶釜を背負ったタヌキが「魚を食べたのは自分です」と白状する。茶釜は仲間との化け比べで元に戻れなくなったタヌキが化けたものだった。同情した古道具屋はタヌキが元に戻れるまでの間家に泊めることにする。タヌキはお礼に、綱渡りをする茶釜で見世物小屋を開くことを提案する。この考えは成功して古道具屋は豊かになり、タヌキも寂しい思いをしなくて済むようになったという恩返しの話。
「ぶんぶく」という名の由来については諸説あるという。
この茶釜はいくつもの良い力を持っていたが中でも福を分ける力が特に強くかったことに由来し、「福を分ける茶釜」という意味から分福茶釜と呼ばれるようになったという説や、水を入れると突然「ぶくぶく」と沸騰することから「ぶんぶく」となったのではないかという説もあるが、どれが本当かははっきりしていない。
うーん、ワタシとしては「福を分ける」を支持したいですがね。
0 件のコメント:
コメントを投稿