川越行きの一番の目的は、喜多院というお寺にある「五百羅漢」であった。
その名の通り、ここには江戸時代に五十年の歳月を経て作られた五百三十八体の像がある。
その形は実に面白く、見ていて飽きない。
おそらく製作者が異なっているのであろうから、像自体の造形には、それぞれ優劣があるが、優は優、劣は劣なりに個性を出している。
羅漢とは完全に悟りを開いた、小乗仏教の修行者のことであり、五百羅漢はその群像ということだ。
十六羅漢という呼称もあり、十六羅漢は仏法を護持することを誓った十六人の仏弟子で、五百羅漢は、仏の滅後に行われた第一回目の経典編纂結集に集まった仏弟子を指すのだそうだ。
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