「荒海へ脚投げ出して旅のあとさき」
写真は何年か前の離任式で撮ったものである。
この写真を今回展示するにあたり、生徒に見せたところ、「先生、エロい。」と言われてしまった。
確かに離任式に来ていた卒業生の脚(太腿)を撮ったものであり、「エロい」ことは否定しない。
ただ、ワタシの意図は離任式にミニのリクルートスーツで来ていた卒業生の「危うさ」を表現したかったのである。それが「荒海に脚投げ出して」なのだ。
高校生活という、ある程度世間からガードされた時代はもう終わって、君たちはこれから「荒海」に出て行くのだよ。
さて、書のほうは左下の薄墨に注目である。
ベースとなっている紙は、Sさんの個展が今年の二月に開催され、その時に使用した大きな作品の一部を切り取ったものなのである。
この部分というものが、今回の「荒波」に変化した。
「旅のあとさき」を表現するのには必要十分な舞台装置だ。
尚、この作品は左に目を移すと、ちょうど海が見える位置にあり、借景も生かされた作品でもある。
山頭火の句集「草木塔」、「柿の葉」の項に「日本海岸」とあり、さらに「昭和十年十二月六日、庵中独坐に堪へかねて旅立つ」とある。
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