「水音しんじつおちつきました」
写真というのは空間を切り取る作業である、それに対し、書は空間を埋める作業だ。
この一見逆の作業をして生まれた作品がひとところに並ぶと、所謂「化学変化」を起こす。
「化学変化」というのは、英語だと「chemistry」というらしい。
そして「chemistry」には、「触発」だとか「相性」の意味もあるという。
つまるところ我々二人の作業は、この「化学変化」によるところが多いのである。
写真は体育館前の水道の蛇口、その蛇口から水玉が落ちる瞬間を撮ったものだ。
一方書の方は、水の落ちる軌跡を表現したようなタテナガの書である。
水玉は下のコンクリートに落ちたとたんに音を立てる。
聞こえるか聞こえないかの僅かな音だ。
我々は、その水玉の落ちるまでの軌跡と音を想像するのである。
句は「草木塔」の「其中一人」の中から。
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