葛飾北斎を話題にしたテレビ番組を見た。
北斎については、その神業的なテクニックや変わった行動をする絵師として、あまりにも有名であるが、やはりその絵(版画)には驚かされてしまう。
左の版画は、北斎の作品のなかでも特に有名な「神奈川 沖裏波」という「富嶽三十六景」の一点である。
富士と波で表される遠景と近景、または不変の富士と波の変化の対比、素人の私でも十分に説得されてしまう。
1831年頃の作品だというから、これは本当に驚きである。
今日の番組では、この作品の波について触れていた。
この波の先端の形状が、高速度カメラによる映像の形状と、非常によく似ているのだと。
北斎の物への観察力に脱帽だ。
この作品から着想を得て、ドビュッシーが交響詩「海」を作曲したということも、実に納得できることである。
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