「いそいでもどる かなかなかなかな」
最初、この句をヨミチガエテ、「いそいでもどる なかなかなかなか」とヨンデしまった。
急いで戻るのだが、目的地にはなかなか到着できない。
こんなふうに解釈してしまった。
実は「なかなか」ではなく、「かなかな」だったのだ。
つまり、「かなかな」蝉の「蜩(ひぐらし)」のことだ。
したがって、なかなか到着できないのではなく、いそいでもどっている時、さらに追い討ちをかけるように、蜩が「かなかなかな」と忙しげに鳴いている。
こんな按配なのだろう。
書のほうは、筆のスピード感において「いそいで」を表現しているような気がする。
一方、写真ではリレーのバトンタッチで、「いそいで」いる感を出してみた。
まあ、見ようによっては「禅問答」のようなところもあるだろう。
作者は二人ともかなり気に入っているのだが。
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