2013年7月17日水曜日

三島由紀夫「美神」

写真は百合の花であるが、花の内側が普通の百合とはちがっているような気がする。おそらく交配によって色を変化させたのだろう。

現代文の授業において、三島由紀夫の「美神」という短編小説を講義することになった。
三島由紀夫という作家、好きでも嫌いでもない。
その「割腹自殺」というセンセーショナルな出来事により、日本人の多くは「わからなさ」を抱いているという。
ただ、文章の美しさは認めざるをえないであろう。

三島文学の根底に流れているのは、「醜」があるからこその「美」、「悪」があるからこその「善」という二項対立的思考を超越し、「美」と「醜」は、元来、アイロニカルな共犯関係にあるという。
つまり「美」によって、現実の俗悪さ、日常の醜怪さを全否定するのだと。
唯美主義である。



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