フアフアとした妙な花である。
「ねむ」を「合歓(ごうかん)=男女が歓びを共にすること」と書くのは、夜になると葉が閉じて、その形が男女が共寝をする形に似ているからだという。
「象潟や 雨に西施が ねぶの花 (奥の細道)」
合歓の花を見ると、いつも芭蕉のこの句を思い出す。
句意は「象潟(秋田県)の雨に濡れて咲いている合歓の花は、(美女の誉れの高い)西施が、目を閉じているかのような趣きである。」である。
なるほど、このフアフア感は美女の睫(まつげ)のイメージ?
なのであろうか。
象潟というところは、今こそ田んぼだらけの風景であるが、かつては松島と同様に海に島がてんてんとする、風光明媚なところであったという。
芭蕉は男性的な松島の景色に比して、象潟には女性的な美しさを感じたのであろう。
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