2013年6月8日土曜日

欲望と資本主義

今、現代文の授業で「欲望と資本主義」という、あまり面白くなさそうなタイトルの論説文を講義している。
しかしながら、面白くないのはタイトルだけで、著者、佐伯啓思の言っていることは、なかなか面白い。
著者は、ドイツの哲学者ジンメルの言葉を借りて言う。

欲望と価値について、人がものを欲しがるのは、簡単に手に入らないからである。つまり人とモノの間には「距離」というものがある。その距離とは「障害」とも言う。逆に言えば「距離」がないもの、すなわち「距離」が近いものは欲望を感じないことになる。
自分とモノの間に乗り越えがたい「距離」があるからこそ、そこに欲望が発生する条件ができあがるのである、と。

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