突然、資本主義の話である。
以前、佐伯啓思「欲望と資本主義」のことについて一部触れてみたが、その結論は次のようになる。
資本主義とは、市場を舞台とする「欲望」のフロンティアの拡張運動」である。
つまり、「欲望」の発生が対象との「距離」によるとすれば、その「欲望」というものは、ますます手に入れるのが困難なもの(自分との距離の大きいもの)に向かう。そうなると「欲望」は絶えず新しいもの、刺激に富んだもの、未開拓なものを求める、というのだ。
「欲望」のフロンティア拡張は、市場の拡大をも意味する。
消費者は新奇」なものや社会におけるステージアップを求めて「欲望」を膨らませる。
「商品」が「欲望」の対象となることによって、はじめて買う側(消費者)と売る側(企業)が同時に成立するのである。
企業はそこに「利潤機会」を求め、新たなものを生み出そうとする。
その結果、市場も無限の拡張という自動運動の中に取り込まれるのである。
著者は、この市場を舞台する「欲望」のフロンティア拡張の自動運動こそが「資本主義」だといっているのである。
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