2012年11月23日金曜日

舞姫②

舞姫②である。
「舞姫」の授業を自分でやっていて、いつも気になっていたことがある。
それは「舞姫」の「姫」である。
ここに登場する「エリス」という少女は、どう考えても「踊り子」なのだ。
 「舞姫」の「舞」は少女が「踊り」を踊る職業なのだから納得がいく。
 一方「姫」というのは、高貴な人の娘で未婚の女性をいう言葉である。
貧しい家の(話の中にも、「手足のか細くたおやかなるは貧家の女に似ず」の言葉あるのです。)エリスがどうして「姫」なのだ。
確かに、雅語(古代・中世の詩歌や物語・日記の中に用いられた和語)では女性の美称として、方言では女性の意に用いられるのが「姫」である。
おそらく、鴎外は女性の美称として使用したのだろうが、鴎外の女性への接し方(実生活において女性には、けっして優しくないようだ。)をみると、どうも納得がいかない。
森鴎外の「踊り子」というよりは、森鴎外の「舞姫」のほうが、様にはなるけれどね。


0 件のコメント:

コメントを投稿