子どもはまづ、母語の音調、リズム、音素を覚える。
この準備は胎内から始まり、出生後、言語が意味を持つという事実を体験し、身につけて行く。
そして、言葉を口にするよりも先にかなり多くの言葉(音楽の組み合わせ)が何を指すか理解するという。
それに対して、老人は名から忘れる。
文法構造の方はかなり後まで残って、名のあるところは、「あれ」「それ」でつぎはぎされる。
つまり、文法構造あるいは文脈的ネットワークはずいぶん後まで保存されるようである。
(中井久夫『私の日本語雑記』 北海道大学2011年入試の問題から)
うーん、まさにそのとおり。
「あれ」「それ」老人の私である。
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