古典の授業で、源俊頼の「俊頼髄脳」という歌論書を講義した。
「随脳」とは、和歌の奥義とかいった意味であり、「俊頼随脳」は関白の藤原忠実の依頼で、その娘勲子(後の鳥羽天皇皇后)のために作歌の手引き書として書かれたものである。
採録されている部分は「和歌の効用」の話(和歌というものは、天地の神さえも感動させることができる。)だ。
「土佐日記」の作者でも知られる、紀貫之が和泉の国の「蟻通明神」の前を馬に乗ったまま横切り神の怒りを買うが、神託を聞き身を清め、一首の歌を詠み神社の柱に貼り、さらに懇ろに拝して神の怒りをおさめる。
つまり、和歌によって神を感動させる話である。
ちょっと出来すぎた話だがね。
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