2013年12月3日火曜日

「鶉衣」

今年の我が家の紅葉は結構キレイだ。

さて、「鶉衣(うずらごろも)」という江戸時代中期の俳文集がある。作者は横井也有(よこいやゆう)。
(「鶉衣」は、つぎはぎした衣のこと。)
その俳文のなかに、「歎老辞」と題する文章があり、今日その講義をした。
文字通り、「老いを歎く辞」であるのだが、也有は次のように言っている。

五十三歳の秋を迎え、老いの嘆きを次第に思い知るようになった。
年来の友はほとんど亡くなり、耳が遠く流行語に疎いので、若い人の仲間にも入れない。
楽しむためには老いを忘れるべきであり、人に嫌われないためには、老いを忘れてはならないが、この境目に達するのは難しい。
できれば早すぎず、遅すぎず、ほどよいところで一生を終えたいものである。

江戸時代と現在とは、「老い」の認識が異なっているとは思うが、「老い」を「忘れるべき」であり、かつ「忘れてはならない」とは、これはなかなか難しいぞ。(高校生には、さらに難しいぞ。)

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