2013年12月4日水曜日

老いの嘆き

昨日、江戸時代の俳文「鶉衣」で「老いの嘆き」の説明をしたのであるが、私の頭の中にはもうひとつ「老いのあつかましさ」について書かれた「徒然草」が浮かんでいた。

住み果てぬ世に、みにくき姿を待ちえて、何かはせん。命長ければ辱多し。長くとも四十路にたらぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ。
(いつまでも住みおおせることのないこの世に、老い衰えた醜い姿を迎え得たところで、なんになろうか。なんにもなりはしない。「長生きをすれば恥ずかしい思いをすることが多い。」と古人も言っている。長くても四十歳に満たないうちに死ぬようなのが、実に無難であろう。)

「徒然草」は14世紀に書かれたものなので、18世紀の「鶉衣」とは人生の長さには若干のずれがあろうが、何れにしても「老いの嘆き」には違いない。
長生きが「良い悪い」の問題ではなく、人間にはきっと「良いタイミング」というものがあるのだろう。

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