2012年3月21日水曜日

恋すてふ

理数科の勉強合宿が始まった。21日と23日は泊まりである。その合宿で講義をする無住の「沙石集」、これが結構面白い。百人一首の中にも出てくる、「恋すてふわが名はまだき立ちにけり人しれずこそ思ひそめしか」壬生忠見(みぶのただみ)と「つつめども(しのぶれど)色にでにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで」平兼盛の和歌が、歌合せにおいて比較されることになるのだが、判定をする判者が勝ちを決められず、結局、帝に決定が委ねられる。(帝もいい迷惑だ。)しかし帝とて、簡単には決めきれず、両方の歌をそれぞれ口ずさんだところ、判者が、帝が数多くくちずさんだ和歌のほうを勝ちとしてしまう。これで、兼盛の「しのぶれど・・・」の勝ちが決定。ショックを受けた忠見は病気になって死んでしまうというストーリーだ。帝が良い和歌のほうを多く口ずさんだとは限るまいに。世の中も得てしてこんなものかも知れない。

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