数日前の三年生の問題演習で、村上陽一郎の「人間の自然からの自立」という文章を読んだ。
人間の自然からの自立と人間による自然の支配を意味する文明のイデオロギーは、自然と人間とを分断する学問的知識の追求を可能にしたが、「人為」のなかに残った「第二の自然をも支配しなければならなくなった。
最初は何がなにやらといった感じの文章であるが、要はこういうことだ。
人間の人知により、人間は「第一の自然(山・川などのような所謂自然)」を御するようになったが、それにより「第二の自然(例えば、性欲・食欲・睡眠欲などのような欲動)」をも支配せざるを得なくなった。
太古の時代には、人間も人間以外の動物のように、欲動の赴くままに行動していたはずだ。
それが、文明のイデオロギーによって、欲動自体も人間の内に閉じ込めねばならなくなったということか。
うーん、そうだその通りだ。
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