今夜はスーパームーン(見かけの大きさ・明るさが約1.3倍の月)だという。
残念ながら静岡県地方は雨天ゆえ、せっかくのチャンスをものにすることはできなかった。
三年生の授業ではセンターテストに向けての問題演習が始まった。
今日は平成二十年の古文の問題であった。
近世の仮名草子から浅井了意の「狗張子」。
播磨の国から摂津まで旅をしてきた福島角左衛門は、喉の渇きをいやそうと、一軒の家に立ち寄る。
貧しそうな家の中から出てきたのは上品で優美な女性、彼はこの女性に一目惚れして思わず言い寄ってしまう。
しかし、彼女はこれを強く拒否、行商に出た夫を十年間も待ち続けているという身の上を語る。
角左衛門は自分の不謹慎な行動を後悔、恥じて食べ物を置いて立ち去った。
さて、翌日女性の家に書状を忘れたことに気づき、取りにもどる途中、葬列に出会う。
なんとそれは女性が待ち続けていたはずの夫の葬儀であった。
そして、例の女性も実はすでに死んでおり、昨日の女性が幽霊だったことを知る。
すべてのことを理解した角左衛門は、感激のあまりその葬儀から後の法要までの処置をして、都に上って行く。
まあ、言ってみれば「怪奇譚」であるが、「雨月物語」で代表されるように江戸時代ってえのはこのような怪奇な話が人気があったようだ。
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