強い陽射しの中、図書館まで歩いて出掛ける。
借りてきた本の中に、文藝別冊「ビル・エヴァンス」があった。
これは、ビル・エヴァンス(ジャズピアニスト)についての論文を集めたものであるが、なかなか面白い。
藤井郷子という日本人ピアニストのエッセイにはこんなことが書かれていた。
「エヴァンスのタッチはクリアで澄んでいて鋭くて、彼の音楽そのものが、たったひとつの音でも表現できるような音をしている。」
フムフム、確かにそうだ。
エヴァンスのピアノは、私でも聴き分けられる。
さらにエッセイは続く。
「エヴァンスのタイムフィールも独特だ。いわゆるスイングとよばれる八分音符のはね方が、他のピアニストと極端に違う。彼のスイングはほとんどイーブン、つまりはねていないのだ。ふつうジャズを弾くときにはオンビートの音を後にずらす。ところがエヴァンスはオンビートをビートのトップに出す。こうすると、いわゆるビハインドビートのタメが少なくなり、ずれた裏の音だけが極端に後ろに聴こえる。つまり、よりはねた感じに聴こえる。」
おおー、そういうことか。
さすがにジャズピアニストである。
実際にピアノをプレイする人というのは、やはりすごいね。
0 件のコメント:
コメントを投稿