2014年11月30日日曜日

サッカー王国の落日

サッカー王国と言われてきた静岡のサッカーがピンチである。

昨年度J2に降格したジュビロ磐田が、今日のモンテディオ山形戦に敗れて、来年度のJ1昇格は夢となった。
また現在J1において清水エスパルスはJ2降格圏内にあり、次回の試合の結果次第で、降格が決定してしまう。

私はサッカーの専門家ではないので、その理由はよくわからないが、心のどこかに「サッカー先進県であるであるという驕りと油断」があったのではなかろうか。

そう言えば、高校サッカーもここのところずいぶん早い段階で敗退しているよね。

やはり、「驕りと油断」は、どのスポーツにおいても禁物である。



2014年11月29日土曜日

紅葉・黄葉

今年の紅葉は黄色がよく目立つ。
黄色なのに、紅葉というのも変な話であるのだが、「今年の黄葉はいいなあ。」とはあまり書かないような気がする。
紅くなったり、黄色くなったりすることを総称して紅葉と言っているように思うのは、私だけだろうか。
黄色になっている状態を、文字にすれば、当然紅葉ではなく、黄色の葉なので、黄葉と書いて「こうよう」とするべきなのであろう。

辞書を引いてみると、「こうよう」には「紅葉」と「黄葉」のふたつが載っている。
「紅葉」とは「秋になって、木々の葉が赤くなること。もみじ。」
「黄葉」は「秋になって木々の葉が黄色になること。また、その葉。」

何れにしろ、「紅」も「黄」も「こう」という読みがあるので、ややこしくなるのだ。

2014年11月28日金曜日

僻事

「なじかはひがごとせさせ候ふべき」
どうして間違いを引き起こさせましょうか。

平家物語の一部分である。
「ひがごと」とは「僻事」、「まちがったこと」の意味である。
また「僻」とは「ひがむ、かたよる、よこしま」等の意味。
「僻」は「人」と「辟」から成り立っている。
「辟」は、やはり「かたよる、ひがむ」の意。
「人」が「かたよったり、ひがんだり」することが「僻(ひが)」なのだ。

ただし「辟(へき)」は「口(節度)」と「辛(つみ)」から成り立っている。
その罪を節制する意味であるという。
そしてそれは法を用いる人物を示すのだと。

だとすれば、「僻」は「罪を節制するために法を用いる人」ということになりはしないか?
それが何故「ひがむ」ことであり、「かたよる」ことであるのだろう。
「法を用いる人」というのは、基本的に「ひがんだり、かたよったり」する人なのであろうか。
やや納得できてしまうところが恐ろしいが。

うーんこれは謎だぞ。


2014年11月27日木曜日

馬尻

朝刊に連載されている連載小説、夏目漱石の「三四郎」を読んでいると、バケツのことを「馬尻」と書いていた。

「馬尻」は勿論、借字なのだがなかなか面白い借字である。
本来は英語の「bucket」からきている言葉ということだ。

「bucket」の俗語の意味として、「尻」の意味があるので「馬尻」なのか?
さらに、「bucket」の形が馬の尻に似ているからか?
いずれにしろ良く出来た言葉である。

(写真は馬の尻とは関係ありませんよ。)

2014年11月26日水曜日

饂飩

昨日は「ほうとう」という「うどん」のことを書いたのだが、この「うどん」、誕生には諸説があって、なかなかはっきりしないようだ。
ひとつの説として、1241年、中国から帰国した円爾(聖一国師)は製粉の技術を持ち帰り、「饂飩・蕎麦・饅頭」などの粉物文化を広めたのだという。

さらに、その中の「うどん」は、手軽な庶民食、米食の代用食として、また祝い事に際して振る舞われる「ハレ」の食物として古くから日本全国で食べられてきた。
そして、その調理法や具材は、それぞれの地域によって異なり、極めてバラエティーにとんだ発達をしているのである。

山梨には「ほうとう」、つまり味噌味の「うどん」があるかと思えば、同じ山梨の富士吉田では「吉田うどん」といって醤油味の「うどん」もある。

今の我々は、いろいろなタイプの「うどん」が食べることができて、幸せだよね。














2014年11月25日火曜日

「不動」の「ほうとう」


東恋路店
ほうとう

一昨日、山梨県の河口湖まで出かける。
目的のひとつは「ほうとう」を食べるためであった。

この地域で有名な「ほうとう」店には「不動」という店と、「小作」という店がある。
両店の趣きはやや異なっていて、「不動」の方が合理性や現代性を、そして「小作」の方が昔ながらの、といったことを重視した感がある。

写真は、最近できた「不動」の東恋路店。
手前の白い繭玉のようなものが、その店舗である。
超近代的な建物で、富士山にかかる雲がふわりと降りてきたイメージなのだそうだ。
このような建物の中で、この地方に昔から伝わる「ほうとう」を食べるのは、ちょいと面白そうだ。
残念ながらこちらの方は、満員で(なんでも百人待ちだとか)河口湖南店に入った。

写真下が「不動」の「ほうとう」である。
鉄鍋に入った熱い「平打ちほうとう饂飩」には、かぼちゃ、あぶらあげ、ネギ、いんげん等の野菜が加えられている。

メニューが、この「ほうとう」だけ(正確に言えば、モツ煮といなり寿司、馬刺しなどはある。)というのも好感がもてる。
やはり、合理性というか、客の回転を早く、料理を出す時間を短くするための方法なのであろう。


2014年11月24日月曜日

極暖

ユニクロのバーゲンセールで「極暖」なるアンダーウエアを購入。
「極暖」とは、「暖」を「極める」ということらしい。
今までのヒートテックの1.5倍暖かいのだという。
ヘー、そんなに暖かいのかい。
ということで、さっそく着てみる。
おおー、これはナカナカだぞ。
確かに着た瞬間から暖かい。
なんでもこの暖かさというのは、特殊な編み方がミソなのだそうだ。

科学技術の最先端とは、こんなところに応用されるんだね。

ユニクロの宣伝文句に曰く。



通常のヒートテックよりも保温性を高め、発熱・保温・吸放湿・消臭・抗菌・ストレッチ機能をプラスしました。特殊な編み方で厚みのある生地になり、肌に触れる面は起毛加工でふんわりやさしく、空気の層を作り出し、ぬくもり溢れる風合いに仕上げました。」



2014年11月23日日曜日

同窓会

昨日は新任高の生徒との同窓会があった。
もう四十年ほど会っていなかった当時の生徒。
懐かしい。

私の教員としてのスタートは、定時制の高校であった。
定時制の面白さは、生徒の年齢がバラバラであること。
中学を卒業したての生徒から教員の自分よりも年上の生徒まで。
実に妙な感じである。
しかし、そこが面白いところでもある。

教員と生徒というよりも、人間と人間という感じがした。

その生徒や、当時の同僚であった教員との再会。
自分の頭の中は、一気に四十年前にタイムスリップしていた。








2014年11月22日土曜日

穏やかな天気

十一月もそろそろ終盤に差し掛かって、寒さが身にしみる頃なのだろうが、今日は日中ずいぶん暖かい陽射しがあり、寒さを忘れるような天気であった。

山形よりお客あり。
六時間ほどで来ることが出来たとのこと。
高速道路の発達だろうが、ずいぶん山形も近くなったものだ。

写真は毎年撮っている御殿場二の岡神社の柿の木、この時期になると不思議と写真を撮りたくなる。
なにか縁でもあるのだろうか。

2014年11月21日金曜日

柳沢吉保

センターテストの演習において、柳沢吉保の側室、正親町(おおぎまち)町子の「松陰日記」の問題を解いた。
この日記、要は作者の町子が主人である柳沢吉保のことをほめちぎっている日記だ。

さて、ここでほめられている柳沢吉保であるが、日本史の教科書にも登場する有名な人物で、五代将軍徳川綱吉の寵愛を一身に受け、破格の出世を遂げた側用人である。
最終的には、老虫上座として幕府最高権力者となり、元禄時代の幕政を主導したという。

寵愛によって出世して最高権力者になるような人物は、たいてい悪者と、相場は決まっているのだが、この吉保はどうもそうではないらしい。
川越藩主だった時の評判もよく、実直な人柄だったということだ。

うーん、こういうタイプもあるんだね。

2014年11月20日木曜日

アギーレ監督

今日の朝刊のスポーツ欄に、サッカー日本代表アギーレ監督のことが書かれていた。
前代表のザッケローニ監督との大きな違いは、アギーレが現実主義者であることだという。
オーストラリア戦では「勝つ」と公言して臨んだ。
彼は言う。
「試合のプランはあらゆる視点から組み立てている。どの布陣を敷くかは重要なことではない。」
果たして、オーストラリア戦では、途中で布陣が変更され、それが良い結果を出すことにつながった。

つまり、W杯常連国となった日本は強豪国にも勝つことのできる次のステップに移らなければならない。そのためには相手に応じたオプションが必要なのである。
したがって、「自分たちのサッカーをすれば勝てる。」は、もう過去のものとしなければならないと。

うーん、「自分たちの○○をすれば勝てる。」なんてえ言葉は古いのだね。
このことは学校教育にも言えそうだ。


(写真は先週撮った御殿場二の岡神社の紅葉)

2014年11月19日水曜日

明神

昨日は「俊頼随脳」のことを書いたのだが、その話の中に「蟻通明神」という神様が登場する。
さて、この「蟻通明神」の「明神」とは一体なんぞや?

簡単にいうと「明神」とは、「霊験あらたかな神」なのだそうだ。
願いを強く持てば必ず願いをかなえてくれる神様ということか。
また、ウィキペディアでは、日本の神仏習合における仏教的な神の称号とある。
なんでも、平安時代における記述においては、特別に崇敬される神のことを、明神もしくは大明神と呼ばれていたのだと。

私の知っている明神は、「神田明神」くらいなんだがね。

2014年11月18日火曜日

俊頼随脳

古典の授業で、源俊頼の「俊頼髄脳」という歌論書を講義した。
「随脳」とは、和歌の奥義とかいった意味であり、「俊頼随脳」は関白の藤原忠実の依頼で、その娘勲子(後の鳥羽天皇皇后)のために作歌の手引き書として書かれたものである。

採録されている部分は「和歌の効用」の話(和歌というものは、天地の神さえも感動させることができる。)だ。

「土佐日記」の作者でも知られる、紀貫之が和泉の国の「蟻通明神」の前を馬に乗ったまま横切り神の怒りを買うが、神託を聞き身を清め、一首の歌を詠み神社の柱に貼り、さらに懇ろに拝して神の怒りをおさめる。
つまり、和歌によって神を感動させる話である。

ちょっと出来すぎた話だがね。

2014年11月17日月曜日

障子の張り替え

紅い葉や黄色い葉の目立つ季節となった。
写真は一昨年に撮った京都嵐山の紅葉である。
露出オーバーにしてみると、紅葉の赤がくっきりして、面白いものとなる。

家の障子紙の張り替えをした。
今の障子紙というのは誠に便利、障子の大きさにに紙を合わせて切り抜き、あとはアイロンで押しつけると、ハイ出来上がりである。

たしかにキレイには貼れるるが、はたして剥がれないだろうか。
あまりにも簡単なので、逆に心配になってくるのである。

2014年11月16日日曜日

パンク

隣の家の人から「タイヤがパンクしていますよ。」と指摘され、大あわて。
車を見てみると、確かに右の後ろのタイヤがぺちゃんこ。
「なんてついてねえんだ。」ぶつぶつ言うが仕方がない。
急いで近所のガソリンスタンドまで出かける。
よく見てみると、結構太い釘がぶすり。
店員いわく、「パンクの修理より、タイヤをかえたほうがいいですよ。」
値段を聞くと「一本3万円です。」
「げえー、3万円。」
予想外の金額。
持ち合わせがないので、とりあえず家に帰る。
考えてみれば、もうすぐ雪の季節だ。
「そうだ、自分でスタッドレスタイヤにかえちまおう。」
それから一時間、ひいひい言いながらタイヤ交換。

というわけで、今シーズンは十一月十六日に冬タイヤに交換したのでした。


2014年11月15日土曜日

最近の変なコマーシャル

最近の変なコマーシャル。

スズキ自動車の「スペーシア」という車のコマーシャル。

ショッピングセンターの駐車場で買い物を終えて、たくさんの買い物袋と子供を抱えてとても大変そうなお母さん。
そこに堀北真希と子供合唱団が登場、「子育ての歌」を歌う。
「スペーシアならカンタンなんだな。」
要は、両手がふさがっていてもカンタンに車のドアが開けられるということなんだろうが、このコマーシャル、いつ見てもなんかおかしい。

コマーシャルでは堀北真希がギターを持って登場するのだが、どう見てもギターを弾いているようには見えないのだ。(指はそれなりに動かしているが。)
私の疑問は、はたしてあの場面で堀北真希にギターを持たせる必要があるのか?
ということであある。

なんか間が抜けた感じがするんだよなあ。

2014年11月14日金曜日

ニューヒーロー

N西では球技大会が行われる。
冬になる直前の、やや寒くはあるが穏やかな一日の運動は、生徒にとっては気持ちの良いものであろう。

球技大会という行事につきもの。
それはニューヒーローの誕生だ。
今年も三年生女子のバスケットボールに、そのニューヒーローが出現した。

普段はおとなしい生徒で、動きもゆったりした人柄であるのに、バスケットのボールを持つと、まるで人が変わったように俊敏となり、右に左に相手をかわして行く。

おおー、格好いいなあ。
その格好良さは、ギャップがあればあるほど際だつものだ。
きっと今日という日は、彼女にとって忘れられない日となることであろう。

(写真は、永代橋を自転車で渡って行くN西の女生徒。)



2014年11月13日木曜日

天変地異

北海道の札幌では雪。
夜のニュースで冬将軍の到来を告げていた。

雪と言えば、今年の二月に降った雪。
御殿場でも積雪が八十センチを超す大雪であった。
もうあのような雪は懲り懲りだ。

ここ数年の世の中をみると、大地震に始まり、津波、大雪、大雨による土砂災害、火山の噴火。
天変地異(「天変」は異常気象やそれによってもたらされる災害。「地異」は地震・津波・火山の噴火など、地上で発生する異変のこと。)何でも起こるような気がする。

もしかすると、異常気象なんてものではなく、これが当たり前の気象になっているのかも知れないね。


2014年11月12日水曜日

蜘蛛③

またまたまた蜘蛛である。

蜘蛛は、益虫であるにもかかわらず、外観から誤解されたり嫌われることが多い可哀想な虫である。
また肉食性なのに、天敵も多く、臆病で草食的な性格である。

このような理由からか、昔から世界各国で人間に対して吉凶善悪両面にわたって様々な印象を与えているという。

日本でも古来、蜘蛛を見ることによって縁起をかつぐ風習がある。
「朝に蜘蛛を見ると縁起が良く、夜に蜘蛛を見ると縁起が悪い。」
ただし、地方によって様々な違いもあり、九州地方の一部では、蜘蛛を「コブ」と呼ぶために、夜の蜘蛛は「夜コブ」となる。
「夜コブ」は「よろこぶ」につながり、縁起が良いものとされると言う。

いろいろなんだね。



2014年11月11日火曜日

蜘蛛②

またまた蜘蛛である。
中央上は蜘蛛の巣に引っかかった葉っぱ。
蜘蛛は右下にいる。

よく考えてみれば、蜘蛛は虫である。
それが証拠に「蜘」も「蛛」も虫偏がついている。

  1. 生物学的に言うならば、節足動物門鋏角亜門クモ網クモ目に属する動物の総称。
  2. 節足動物門六脚亜門に属する昆虫とはまったく別のグループ属するそうだ。


昆虫との主な区別点は、脚の数が8本であること、頭部と胸部の境界が明確でないこと、触角を欠くことなどであると言う。


2014年11月10日月曜日

蜘蛛

単に空を撮ったものではない。

よーく見ないとわからないが、蜘蛛の巣である。
真ん中やや上に蜘蛛がいる。
雲の前の蜘蛛である。

「蜘蛛」という漢字、「蜘」がオスを指し、「蛛」がメスを指すので、雌雄あわせて「蜘蛛」と表記するのだそうだ。
雌雄、別々の漢字が割り当てられているのは、蜘蛛が日常的になじみのある生物であり、雌雄の区別が比較的たやすいことによる。

もともとは「蜘蛛」は「ちじゅ」と音読みされていたが、やがて大和言葉に置き換えられて行き、「くも」という訓読みが定着したということである。



2014年11月9日日曜日

黒田熊之助

今日大河ドラマの「黒田官兵衛」。
官兵衛の息子「熊之助」が兄長政の朝鮮出兵に加わることができず、秘密裏に朝鮮に渡ろうとして、途中船が嵐にあって転覆、行方知らずになってしまう、といった話がでてきた。
番組ではその後「熊之助」がどうなったのかは、明確には表現していなかった。(何となく暗示はしていたようだが。)

チョイト気になったので調べてみると、「熊之助」は、やはり16歳でこの時に亡くなってしまったようだ。
その時に一緒に船出した家臣の子、母里吉太夫、黒田吉松、木山紹琢の3人も一緒に溺死したということである。

主人とは言え、16歳の少年の無謀な計画に従い、溺死とは可哀想である。
死後、母の「光」は自身が創建した福岡の圓應寺に「熊之助」の霊を弔ったそうである。



2014年11月8日土曜日

立冬の冬瓜


N西の三年生は全員で受験する最後の模擬試験であった。
受験生にとっては今が一番しんどい時だろう。
三年生諸君、あともう少しだ。
がんばれ、がんばれ。

昨日「立冬」のことを書いてみたが、「立冬」に食すものは一体なんだろう。
「冬至」であれば「冬至南瓜」(かぼちゃ)が、歳時記などに載っているが、「立冬」に付きものの食べ物は、あまり聞いたことがない。
あまりにも思いつかない故、ネットで調べてみた。

冬至ほどポピュラーではないが、「立冬」には「冬瓜」というのがあった。

「し大振りに切った茹でた冬瓜(とうがん)を、薄味の葛あんの中に入れて、すり下ろした生姜をのせて食べる。」
うーん、冬瓜か。
七味をチョイトかけて食べたら美味そうだね。


2014年11月7日金曜日

立冬

今日は立冬ということである。
「立冬」とは、冬の始まりのこと。
「立」には、新しい季節になるという意味があり、立春、立夏、立秋と並んで季節の大きな節目であるという。

立冬十一月七日頃
小雪(しょうせつ)十一月二十二日頃
大雪(だいせつ)十二月七日頃
冬至十二月二十二日頃
これらを経て、今年も暮れて行くのである。

また、この時期にかけて吹くやや冷たい風が「木枯らし」だ。

気象的には、十月半ばから十一月末にかけて、西高東低の冬型の気圧配置の時、最大風速八メートル以上の西北西から北向きの風のこと。
「凩」とも書き、この文字には風が吹くたびに葉が落ちるため、木を枯らしてしまうという意味があるそうだ。

     海に出て木枯らし帰るところなし    山口誓子



2014年11月6日木曜日

ぼんくら

NHKの木曜時代劇で、「ぼんくら」という宮部みゆき作品を放映している。
「NHKの連続時代劇?ん?」と、以前は興味などまったく持っていなかったのだが、現在は、前作品の「吉原裏同心」に続いてほぼ毎週見てしまっている。
理由は、脚本が丁寧に作られているし、役者もうわついたところのない、しっかりした役者が演じているからである。

今回の「ぼんくら」は、時代劇ミステリーといった按配の作品である。
回を追うに従って我々視聴者の心に、「いったい次はどうなるのだ。」というミステリー独特の興味を持たせる。
実に「なかなか」である。

ところで、「ぼんくら」とは「盆暗」と書く博打用語で、盆の中のサイコロを見通す能力に暗く、負けてばかりいる人のことで、ここから、ぼんやりして物事がわかっていないさま、間が抜けたさま、更にそういった人を罵る言葉として使用されるということである。



2014年11月5日水曜日

柿の木

二の岡神社の柿の木である。
ここ五年ほど、この時期になるといつもこの柿の木を撮っている。

面白いことは、木自体が成長しているはずなのに、太い枝の格好がちっとも変わっていないことである。
よく考えてみれば、これは当たり前のことで、人間でも、爪や髪の毛は伸びるが、指や頭は決して伸びたりはしない。

同じ枝振りを見ていると、何か懐かしい友人に会ったようなきがするのは、私だけだろうか。




2014年11月4日火曜日

巨大噴火

朝刊に「巨大噴火と現代文明」という社説があった。

世界の活火山の7%が集中する日本では、1万年に1回程度カルデラ噴火と呼ばれる巨大噴火が起こっていた。
直近は約7300年前の鹿児島県沖の海底火山による鬼界カルデラ噴火であるという。

巨大噴火とはどんなものなのか。

社説は続ける。
神戸大学によると、九州中部で巨大噴火が起きると、九州は大半が高温の火砕流にに襲われる。
西日本は50センチ以上、首都圏でも20センチ以上の火山灰が降る。
広範囲に犠牲者が出て、国土の大半が壊滅するという。

おおー、日本の壊滅だね。
猶予はあと2700年程度か。
ただし、それは1年先かも知れないし、3000年先かも知れないんだね。

人類史的に見れば、巨大噴火のたびに周辺の人類は死滅する。しかし何れも新たな人々が訪れ、生の営みを再興してきたことも事実であるそうだ。



2014年11月3日月曜日

「男たちの居場所」

にっぽん紀行「男たちの居場所・秋田 井川町」というNHKのドキュメンタリー番組を観た。

秋田県の井川町に今年の一月、プラモデルやミニ四駆が楽しめる店が出来たところ、中高年から小学生まで、様々な人たちにとって「かけがえのない」場所になった。

田園風景が広がるこの場所に、仕事が終わって、妻に内緒でプラモデルを作るためにやって来る男性。
定年後、第二の人生で生きがいを見つけられずにいた男性。都会に出てプロの模型製作者になる夢を持つ男性。
そして、とにかく面白いと放課後やってくる中学生。

中学生は、米を作る兼業農家の息子であり、農業も好きであるのだが、今後の米作農業に不安うを抱いている。
三年生になった今、進路を決定せねばならない彼が、「農業」とはっきり言えないところに、日本の農業の問題があるのだ。

ここにやって来る人たちは、それぞれがそれぞれの悩みを抱えている。
しかし、ここに来ることにより、明日がんばろうという気になれるのだそうだ。



2014年11月2日日曜日

コップのフチ子②

「コップのフチ子」がなぜこのように売れているのか。人気の理由について、原案者のタナカカツキ氏は次のように言っている。
「原作や設定を持たず、外形だけの存在である点が現代という特殊な時代にあったのではないか。」

つまり、それは一昨日の渋谷の「ハロウィン騒ぎ」に似ているような気がする。
渋谷に集まった若者たちにとって、ハロウィンの歴史や意義などは、どうでもいいことなのだ。
ハロウィンの変装にこそ、すべてがあるのである。
原義や設定はいらぬ。外形だけのハロウィンがすべてなのだ。
さて「コップのフチ子」の方であるが、こちらも彼女がどいう人物であるのかは、まったく設定がされていない。
そこで購入者は「フチ子」に感情移入をする。
自分で自由に設定するのである。

うーん、ヒットさせようと思って製作したのではあるまいが、いいところをついているよね。


2014年11月1日土曜日

コップのフチ子

夕刊の記事に「コップのフチ子」のことが載っていた。


「コップのフチ子」とは、文字通りコップなどの縁に飾ることを想定した人形だが、コップの縁に手などを懸けられる機能を応用して、様々なスタイルの「フチ子」が出来上がったのだそうだ。

「奇譚クラブ(どこにもないアイデアとクオリティーをモットーに愛のあるものづくりをする会社?)」から商品開発を打診された「タナカ」が、喫茶店における飲食風景に溶け込むフィギアとして開発、2012年に発売された第一シリーズは一週間で十万体を出荷して完売という。

すごいヒット商品だったんだね。

このシリーズのキャラクター「フチ子」は茶色の髪を後頭部で二つにまとめた女性として造形されているが、彼女の素性やプロフィールなどは一切設定されていない。
概ね一般的なOLの制服のようなものを着ているが、別のバージョンも多数あるという。
さらに「フチ子」のポーズも、腰掛ける・ぶら下がる・よじ登る・手足を踏ん張ってバランスを取るといった様々なバリエーションがあり、そのあたりも人気の秘密のようだ。