国公立の個別試験の演習をしているのだが、中には、「オオーこれは」という問題がいくつかでてくる。
2008年の京都大学の問題文。
青柳瑞穂「真偽のむずかしさ」の中から。
日本画?の小林古径画伯がまだ存命中に、美術研究家がある蒐集家のところで、古径の作品を見せられたが、どうもレベルが低く納得がいかない。
結局、作者自身に作品を見てもらったところ、古径がいうには、「まことにお恥ずかしい。わたしの描いたものです。」と言われたそうだ。
作者自身が不出来の真作と告白したのである。
要するに、世の中には出来の悪い本物と、出来のよい偽者が入り乱れており、せまい目でみると、出来の悪い本物は偽物にされてしまう。そんなものは本物でも偽物と同じである、ということである。
ブランド志向も、これに似たところはないだろうか。
質の悪い本物を選ぶ人と、質の良い偽物を選ぶ人では、どちらが賢いのでしょうかね。
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