ここ二週間ほど個別試験対策で「一橋大学」の国語の過去問を生徒と一緒に解いてきたのだが、「一橋大学」の問題は非常に興味のもてる文が多いように感じられる。
国語は全部で三問あり、一問目が現代評論の問題、二問目が明治時代もしくは江戸時代の評論についての問題、そして三問目が要約の問題とパターンが決まっている。
今回は2012年度の問題を解いたのだが、二問目が本居宣長の「排蘆小船(あしわけおぶね)」という芸術論からの出題であった。
設問はともかく、問題文が実に面白いところを引っ張り出してきている。
ここでの宣長は、和歌について論じているのであるが「僧侶が恋の歌を詠むのはけしからん。」という質問者に対して反論をする。僧が恋の歌(例えば、あまつ風雲の通い路吹き閉じよ乙女の姿しばしとどめむ 僧正遍昭)を詠んで何が悪い。誰が詠もうと歌は歌であって、その良し悪しは、作者の立場とは切り離して考えるべきだと。
つまり、ひとつの作品はその作品自体の価値によって評価されるべきだという考えなのである。
ウーンさすが宣長ですね。
また、この部分を試験にもってきた試験の作成者にも拍手です。
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