古文の単語に「すずろなり」という単語がある。「伊勢物語」の中では「すずろなる目を見ることとおもふに」と出てくるのであるが、ここでは「思いがけずヒドイ目に会うことと思っていると」と訳す。
さて、この「すずろなる」、終止形は「すずろなり」という形容動詞だ。漢字で書くと「漫ろなり」となる。またこれは「そぞろなり」とも同意である、「そぞろ歩き」の「そぞろ」だ。
「そぞろ歩き」とは、これと言った目的や根拠・原因がないままに物事や人の心が進む様子を表す言葉、「気もそぞろ」も同意である。
不思議なことは、この言葉が和歌にはほとんど使用されておらず、もっぱら散文に使用されたということである。
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