今週より、二年生の古典の授業は漢文となる。
最初の教材は「画竜点睛」という、漢文では比較的ポピュラーな作品である。
「画竜点睛」は、「画竜点睛を欠く」の例でよく使用される言葉、「画竜点睛を欠く」とは、「大体よくできているが、最も大事な一点が欠けている」といった意味だ。
話の内容はともかく、この文章の読みがなかなか面白い。
「人以為妄誕、固請点之」の部分の読みであるが、教科書会社によって読み方が違うのである。
G南が使用しているS出版では、「固請点之」の部分を「かたくこひてこれをてんぜしむ」と読む。
一方、N西が使用していたK書店では、この部分を「かたくこれをてんぜんことをこふ」と読んでいる。
前者は、「かたくなに頼んでひとみを描き入れさせた」と使役の訳となる。
後者は、「強くひとみを入れるように求めた」となるのであるが、前者の使役の読み方はなかなか難しいだろう。
また、その後にも「騰去上天」をS出版は「とうきよしててんにのぼる」と読み、K書店は「をどりてじようてんにさる」と読んでいる。
こちらの方は意味はほぼ同じであるが、同じ漢字を異なって読むというのは何となく抵抗があるのではなかろうか。
このようなこと、漢文では特に珍しいことではない。
漢文てえのは、中国語を、無理矢理日本語にしたのですから。