試験の監督をしながら教室の中を見回すと、黒板の上にそのクラスのスローガンのような言葉が大きく筆で書かれていた。
「当たり前のことをしっかりと」
うん、なかなか良い言葉だぞ思いつつ、ハテ「当たり前」とは一体どういう意味だろうと考えた。
「前」という字が書かれているが、「当たり」の「前」とは何だろう。
早速、辞書を引いてみる。
「当たり前」は「当たり」プラス「前(ぜん)」である。
辞書によると、「前」は「然」のあて字。
つまり、「当然」が「当前」となり、「当たり前」となったということである。
さて、「当たり前」の「前」は分かったのであるが、では「当たり」の方は何じゃということになった。
そこでまた辞書を引く。
「当たり」とは、「当たり」とは「当(とう)」のことである。
「当」とは「道理にかなうこと」を言う。
「然」は「然り」なので、「そうだ。その通りだ。」という感動の語気だと言う。
総括すると、「当たり前」とは「道理にかなうことを、そうだその通り」と思うことなのである。
したがって、「当たり前のことをしっかりと」は「道理にかなっていることを、そうだその通りだと思ってしっかりやろう」ということになるのだ。(チョイト理屈っぽいだろうか。)
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