昨日のトルコのクーデター未遂について、不思議に思ったことがいくつか今日の新聞で理解することができた。
まず、エルドアン大統領と、今回のクーデターの黒幕と言われるギュレン師について。
ふたりとも昔は同志であったようだ。
1923年のトルコ共和国建国以来、軍は厳格な政教分離で、公の場から宗教色を排除する世俗主義を自認していた。
(もともと、トルコはガチガチのイスラム国家ではなかったんだね。)
ところがエルドアン大統領が経済政策で成功し、「独裁色」を強めるにつれ、彼は公の場でもイスラム重視を語るようになった。
たとえば、公約機関でのスカーフの着用や酒類販売の規制強化など、宗教色を前面に出すようになっていったのだ。
(ガチガチのイスラム国家に近づき始めたわけだ。)
一方、ギュレン師は世俗主義(政教分離で公の場からは宗教色を排除する)とイスラム教は矛盾しないとする、どちらかというと穏健な思想を持つ。
後に、エルドアンから追われたギュレンはアメリカに亡命。
今回、クーデターを試みた軍の勢力は、ギュレンが提唱する「ギュレン運動」に傾倒していたとされる。
結果は国民の圧倒的な支持を受ける、エルドアン大統領側の勝利ということだが、ギュレン師の方は、クーデターへの関与を否定しており、大統領側が反勢力を一掃するために仕掛けたとの陰謀説もあるそうだ。
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