2013年4月25日木曜日

初老

初老という言葉がある。
肉体的な盛りを過ぎて、そろそろ身体の各部に気をつける必要が感じられるような時期。
これが初老の時期である。
しかしながら、初老というのは、もともとは四十歳のことであった。
四十歳とはへぇーと思ったが、かつては人生五十年と言われているので、まあ納得はできる。
国語辞典を引くと、現在では六十歳前後が初老の時期らしい。

さて、徒然草の第七段は、「老年の厚かましさ」について書かれている段なのだが、次のような記述がなされている。

「命長ければ恥多し。長くとも四十(よそじ)にたらぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ。」
意味はこうなる。
(長生きをすれば、恥ずかしい思いをすることが多い。長くても四十歳に満たないうちに死ぬようなのが実に無難であろう。)」

やはり、肉体的にも精神的にも、盛りの状態で、この世から消えていくのが好ましいのだろう。あとは、恥をしのんで生きて行かねばならないのだ。
(恥なんて、もう慣れてしまったがね。)




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