それは、辞書作りの苦労や面白さをテーマにした映画だというのだが、辞書作りという地味な仕事をよく映画にしたものだと、感心してしまった。
実は、かつて三省堂の国語辞典「新明解国語辞典」が話題になったことがある。
その語句解釈の面白さが尋常ではなく、私も思わずのけぞってしまった。
その当時を思い出しながら、当時のけぞった「言葉」を再び辞書で引いてみた。
どうぶつえん(動物園)
生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設。 (第4版)
これは、関係者からクレームを受けたらしく、次の版ではこのようにかえられていた。
どうぶつえん(動物園)
捕らえてきた動物を、人工的環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、動く標本として都人士に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。(第5版)
「恋愛」の解釈も相当面白かった。
れんあい【恋愛】
特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態。(第4版)
これについては、「出来るなら合体したい」の部分が問題があったらしく(そうは思えんがね。)やはり、次の版では「出来るなら肉体的な一体感も得たい」にかえられ、さらに「まれにかなえられて歓喜する」が削られていた。
れんあい【恋愛】
特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思い(第5版)
「まれにかなえられて歓喜する」なんて最高なんだけれどね。
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