2013年4月23日火曜日

「乙」についての話

朝のFM放送を聴いていると、「乙」についての話をしていた。
「乙」には「若い」の意味があって、「乙女」とは、「若い女性」の意味であると。
「おおー、知らなかった」と思いつつ、「これは、もう少し調べてみなければ。」という向上心がムクムクと首を擡(もた)げてきて、辞書を引いてみた。

「乙」とは変な字である。
だいたい、画数が一画である。
一画の漢字は、「一」と「乙」の二つしかない。
また、「一」がすっきりしているのに「乙」は一度まっすぐ横に行って次に斜め、そして最後にまた横という、実に変な動きをする。
漢和辞典でみると、これは春に草木が屈曲しながら伸び出す様子であるのだという。
「へぇー、そうか。そういう動きだったのか。」と多少納得した。

次に「乙」には三つの読み方がある。

    〈オツ〉と読み、意味は
      1 十干の二番目。きのと。「甲乙
      2 順位で、第二位。「乙種
    〈イツ〉と読み、意味は
      1 きのと。「乙卯(いつぼう)
      2 二番目。「乙夜(いつや)
         「乙夜」とは、9時あるいは10時から二時間程度のこと。
        日没から日の出までを五つに分け、その二番目。
        また、「天子の読書」のこと。
        天子は昼間政務で忙しく、夜10時頃になって
        はじめて読書をしたので、「天子の読書」のことを「乙夜」と言った。 
       
      3 文末を止めるしるし。「不乙(ふいつ)
    〈おと〉と読み、「乙姫(おとひめ)乙女(おとめ)」の語。


とまあ、いろいろである。
さて、この中で、「オト」を注目してみると、「乙女」の「オト」は勿論「若い」の意味を持つが、同時に「男」の「オト」でもあるという。さらに、これは「若返る」意味を持つ動詞の「復つ(オツ)」と同源でもあるという。
うーんなかなか奥が深いぞ。

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